【アメリカ】弁護士なしでビザを自分で申請・更新する方法

2018年3月28日

 

こんにちは!サエコです。

過激な発言の数々で知られるトランプ氏が大統領になり、一年以上経過しましたね。

在米外国人としてそこまで自分自身への風当たりの強さは感じませんが、ニュースを見ていると過去に不法移住してきた人がアメリカに家族や仕事があっても突然の強制退去になったケースや、グリーンカード(永住権)の抽選が廃止される可能性など、色々と不穏な空気は感じています。

グリーンカードの抽選制度廃止の話は以前書いたこちらの記事を参照。

お笑い芸人のピース綾部さんも、なかなかビザが降りずに日本から出られなかったことは記憶に新しいかと思いますが、「トランプ政権になってからより一層ビザの審査が厳しくなった」とあちこちから聞こえてきます。

綾部さんのケースがトランプ政権と関係あるかはさておき「トランプだからビザが降りにくくなった」という説に私は少し懐疑的です。

というのも、ビザの申請や更新に必要な書類は全て移民局のホームページ上にリストされており、端から端まで見れば正しい最新情報が手に入ります。

熟練の移民弁護士ほど頼りになる人はいませんし、もちろん審査における移民局そのものの内部情報(厳しい目で見るようになっかどうかなど)は分かりませんが、それでもむやみに「今ビザの申請や更新はかなり難しいですよ!(だからお金を払って私に頼みなさい)という弁護士の脅しを100%信じる必要は無いと思っています。

弁護士にビザの申請や更新をお願いすると、安くても4,000ドル前後というケースがほとんどかと思いますが、中には経済的な理由からその費用を捻出できず、借金やお給料の前借りをしてビザに挑む・・・という話も聞いたことがあります。

日系企業で働く友人もちらほらいますが、話を聞いていると正直あまり待遇が良くなかったり、中には残業代をごまかされたりと「イマドキ!?」と思うような耳を疑うひどい会社も存在しています。

転職したくても就労ビザの新しいスポンサーを見つけなければならず、会社にビザを全部やってもらってからアメリカに来る大手企業の駐在員とは違い、現地での雇用自営業の展開を狙う日本人にとってはこのビザ問題というのは切っても切れないストレスの源です。

しかし正直、お金はない!でもダメ元で良いから弁護士なしで自分でやってやる!というガッツさえあれば、ある程度のビザの申請や更新は自分一人でもできると思っています。

実際、知人のメイクアップアーティストでOビザ(アーティストビザ)を通した人を知っていますが、彼女は数ヶ月かけて全ての準備を自分で行っていました。彼女は日本人ではありませんでしたが、外国人がビザを申請する流れとしては日本人だろうがよその国の人だろうが同じです。

彼女がビザの準備をする際、私も少し英語の添削などで間に入って手伝いましたが、あの量の資料をまとめ上げるのは相当の忍耐だなあと感心したのを覚えています。

前置きが長くなりましたが、彼女の書類を手伝いながらビザを申請する際の「ポイント」をいくつか発見しました。

お金をセーブするために「ダメ元」でも自分でビザ申請にチャレンジを考えている方はぜひ参考にご覧ください。

※こちらの記事はあくまで「参考程度」で全てのビザ申請・更新の成功を保証するものではありませんのでご了承ください。不安な方はぜひ移民弁護士に担当してもらいましょう。

 

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ちなみに、今回お話しする中に「学生ビザ」は含まれていません。

学生ビザの取得は就労ビザと比べてめちゃくちゃ簡単なので、そちらは別の機会にご紹介したいと思っています。

というわけで今回はH、L、O、P、Q、Rビザのいずれかを申請する場合についてのお話です。

 

自力でビザの申請・更新をやってみよう

当たり前ですが、ビザ申請に必要な書類は全て英語で書かれています

ある程度の英語力がある、もしくはバイリンガルの仲間がいる場合は話が早いかと思いますが、英語力に自身がない場合はせめて書類を「プルーフリーディング(文法などの確認)」してくれる人を確保しておきましょう。

アメリカ人(英語ネイティブ)でも、文法やスペルがぐちゃぐちゃということは非常によくあります。多少お金を払ってでも、確認作業はアカデミックな「正しい英語」を知っている人に頼むのがオススメです。

 

準備を始めるのは早ければ早いほど良い

現在すでにビザを持っている場合、遅くともビザが切れる一ヶ月前には全ての書類を移民局に提出できるように逆算して準備を始めましょう。

移民局が書類を受け取り審査を開始すると、「EAC-12-345-67890」といった具合にアルファベット3文字で始まる「ケースナンバー(レシートナンバーとも呼ばれます)」が与えられ、その番号が書かれたフォーム「I-797C」が後日郵送で届きます。

ビザの審査中に移民局に電話で問い合わせをしたり、オンラインで状況確認を行う場合などにケースナンバー(レシートナンバー)は必要となりますので、大切に保管しておきましょう。

ちなみにケースナンバーの頭にくるアルファベット3文字は、ビザが審査されているサービスセンターによって下記のように異なります。

  • EAC – バーモントサービスセンター
  • VSC – バーモントサービスセンター
  • WAC – カリフォルニアサービスセンター
  • CSC – カリフォルニアサービスセンター
  • LIN – ネブラスカサービスセンター
  • NSC – ネブラスカサービスセンター
  • SRC – テキサスサービスセンター
  • TSC –テキサスサービスセンター
  • MSC – ナショナルベネフィットセンター
  • NBC –ナショナルベネフィットセンター
  • IOE – ELIS(オンライン申請)
  • YSC – ポトマックサービスセンター

 

バーモントとカリフォルニアセンター

ビザの申請・更新の書類を送付する宛先として二つの移民局センターが存在します。

一つはバーモント州にあるバーモントサービスセンター(VSC)、もう一つはカリフォルニア州にあるカリフォルニアサービスセンター(CSC)です。

そして、どちらに資料を送れば良いかはスポンサー(会社)の住所がある州で決まります。

支店が複数あるなどの場合は本社、もしくは一番メインの場所が当てはまります。

バーモントサービスセンターに資料を送る州・地区

以下の州・地区にスポンサーとなる会社が住所を置いている場合、ビザの手続きに関する書類は全てバーモントサービスセンターへ郵送しましょう。

アラバマ州 アーカンソー州 コネチカット州
デラウェア州 コロンビア特別区 ケンタッキー州
ルイジアナ州 メイン州 メリーランド州
マサチューセッツ州 ミシシッピ州 ニューハンプシャー州
ニュージャージー州 ニューメキシコ州 ニューヨーク州
オクラホマ州 ペンシルバニア州 バーモント州
ロードアイランド州 サウスカロライナ州 テネシー州
バージニア州 プエルトリコ アメリカ領ヴァージン諸島
ウェストバージニア州

 

カリフォルニアサービスセンターに資料を送る州・地区

以下の州・地区にスポンサーとなる会社が住所を置いている場合、ビザの手続きに関する書類は全てカリフォルニアサービスセンターへ郵送しましょう。

アラスカ州 アリゾナ州 カリフォルニア州
コロラド州 北マリアナ諸島連邦 フロリダ州
ジョージア州 グアム ハワイ州
アイダホ州 イリノイ州 インディアナ州
アイオワ州 カンザス州 ミシガン州
ミネソタ州 ミズーリ州 モンタナ州
ネブラスカ州 ネバダ州 ノースカロライナ州
ノースダコタ州 オハイオ州 オレゴン州
サウスダコタ州 テキサス州 ユタ州
ワシントン州 ウィスコンシン州 ワイオミング州

※例外としてメジャーリーグ関係で「P」ビザを取得する場合は必ずバーモントサービスセンターに送ります。

バーモントの方がビザが通りやすい?

これはあくまで噂程度ですが、カリフォルニアよりもバーモントの方がビザが通る確率が高い(審査が緩い)と言われています。

日本でビザの面接を行う際も、東京より大阪の領事館の方が通りやすいと言われていますが、そんな感じで「言われている」程度ですので、確証はありません。

確かに、カリフォルニアサービスセンターが受け持っているのはカリフォルニア州テキサス州、大都市シカゴがあるイリノイ州など、移民(特にメキシコ系移民)が多い場所となっています。

移民問題が絶えないアメリカ。カリフォルニアサービスセンターの方が厳しい目になるという説は確かに頷けます。

こうした理由で、例えばテキサス在住でもニューヨーク州の弁護士を通すという人もいます。そうすると代理人(弁護士)の住所を使うため、書類のやり取りがバーモントサービスセンターを通すことになるためです。

もしご自身で手続きを行う場合も、スポンサーの住所がバーモントサービスセンター管轄の州・地区にあれば、少しだけ安心感につながるかも知れませんね。

 

I-129フォーム(請願書)を用意

H、L、O、P、Q、Rビザのいずれかを申請する場合、I-129という請願書を提出する必要があります。

I-129は手続きを代行している移民弁護士が記入するか、代理人を挟まない場合はスポンサーとなる人/企業が記入します。

また、ビザを必要とする外国人がすでにアメリカ国内に滞在している場合にEビザのステータスを延長、もしくは他のステータスからEビザに変更する場合もI-129の提出が必要となります。

I-129フォーム/インストラクションのダウンロードはこちらhttps://www.uscis.gov/i-129

I-129は全36ページからなるフォームですが、36ページ全てを使う必要はなく、ご自身の申請したいビザに必要な箇所を埋めて提出します。

まず、I-129の最初の8ページは全員が書かなければいけない「スポンサー情報」や「ご自身の情報」などです。

9ページ目以降は各ビザごとにページが分かれていますので、任意のビザに当てはまるページを目次から見つけて埋めていきましょう。

例えば、冒頭でご紹介したメイクアップアーティストでOビザ(アーティストビザ)を取得した彼女の場合は、最初の1〜8ページ+Oビザ用のページ(Pビザも同じページです)に当たる26〜28ページまでの計11ページとなります。

また、I-129に限らずビザの更新・申請の場合はビザの申請や更新に必要なフォームは全て無料でダウンロードすることができます。

中には悪質な「一フォーム○ドル」なんて嘘をついて資料を提供するようなビジネスもありますので、まずはとにかく自分でしっかりと調べましょう。

ビザ申請・更新に必要な各種フォームはこちらhttps://www.uscis.gov/forms

プレミアム申請の場合はフォームが増える

審査結果が早くわかる「Premium Processing(プレミアム・プロセッシング)」に申し込む場合、I-129の他にI-907(Request for Premium Processing Service)というフォームも必要となりますので、忘れないように揃えましょう。

プレミアム・プロセッシングに申し込むと15日以内に審査が行われる特急申請となり、通常の申請よりもかなり優先して審査が行われます。

1,225ドルの追加料金(2018年3月3日現在の情報)はかかりますが、どうしても仕事が始まる日程の都合などで早くビザが必要な場合は考慮する価値があると思います。

 

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移民局に資料を送る際気をつけること

資料を順番に揃えつつ、それらを提出するための「形」にしていくわけですが、移民局のホームページにある「Form Filing Tips(フォームファイリングのコツ)」のページには、提出する資料を正確に完成させるための様々なヒントが載っています。日本語でご紹介しますので、参考になれば幸いです。

全ての書類は正確に完成させること

移民局いわくよくあるのが「サイン(署名)忘れ」。フォームの大半の部分はパソコンでタイプできても、「サインは直筆」という場合がほとんどかと思います。

サインされていないフォームは移民局に拒否・返却されてしまいますので、ぜひ何回か見直して漏れがないかを徹底してチェックしましょう。

指示がない限り最新のフォームを使う

ビザ申請・更新に必要な各種フォームも日々、微調整が加えられています。

色々なウェブサイトで「これが◯◯ビザ申請に必要なフォームですよ」なんて配布していることがありますが、それが「最新版」かどうかは非常に大切なポイントとなります。

そのフォームが何年の何月何日に改定されたのかは、フォームの左下に日付が入っているので、そこでわかります。

移民局のホームページで見つけられるものが現時点で最新バージョンのフォームですので、よそのサイトを探す前にぜひ移民局ウェブサイトで確認しましょう。

ビザ申請・更新に必要な各種フォームはこちらhttps://www.uscis.gov/forms

フォームの右上には「Expires 12/31/2018」のように有効期限が書かれており、稀に移民弁護士から記入するよう渡されたフォームが期限切れの場合もありますが、フォーム(ビザの種類)によっては「previous editions are acceptable(前のバージョンでも良い)」と示唆されている場合もありますので、一応弁護士に確認するか、ご自身でガイダンスをよく読みましょう。

フォームに手書きする際は黒インクで

移民局が推奨するフォーム記入の流れとしては

  1. ウェブサイトから必要なフォームをダウンロード
  2. パソコンで記入・印刷
  3. 提出

が一番オススメだそうですが、手書きでフォームを書く場合は黒インクのペンを使用しましょう。

また、各フォームを埋める際、蛍光ペンや修正液、修正テープは使用しないようにしましょう

これは移民局サイドのスキャナの種類によって正しく読み取れないことがあるので、それを防ぐ目的です。

間違えてしまった場合は面倒ですが、もう一度新しくフォームを印刷して書き直しましょう。

 

正確な金額を支払う

ビザの申請料も同封して移民局へ提出しますが、チェックに書かれた金額が間違っているなど、不手際があるとせっかく作った資料が却下されてしまいます。

また、郵便局でマネーオーダーを発行してもらう場合などもしっかりと記録(レシート)を保存しておきましょう。

ビザ申請・更新にかかる各料金はこちらhttps://www.uscis.gov/forms/our-fees

 

 提出する形に資料をまとめる

移民局に送るパッケージをどんな順番で組み立てたら良いのかも公式ホームページに書かれています。

【パッケージを組み立てる際の順序】

実際に資料を綴じる順番として望ましいのは下記のような感じです。

  1. チェックまたはマネーオーダー(申請費用)
  2. Form G-1145, Request for e-Notification=オンライン通知リクエスト(該当する場合)
  3. Form G-28, Notice of Entry of Appearance as Attorney or Accredited Representative=弁護士または代理人としての通知(該当する場合)
  4. 各フォームと補足ドキュメント
    • ビザごとに必要な任意の文書または証拠(ガイダンスに記載されています)※日本語の書類がある場合は正確な英語翻訳を添付
    • 添付ファイルがある場合は、添付されている各ページにあなたの名前とA-Numberがあることを確認してください。また、ページに番号を付け、添付されている総ページ数を含めることもできます(たとえば、「1ページ中1ページ」)
  5. 封筒とカバーレターに提出の性質を記入してください。例えば、オリジナル投稿、アピールのためのブリーフィング、または追加情報のリクエストに対するレスポンス。
  6. 封筒とカバーレターに用紙番号を記入してください。例えば、I-129、I-130、I-690またはI-698。

【パッケージを組み立てる際の注意点】

ここからは上記の順番で書類を組み立てる際の注意事項ですが、審査員に読んでもらう必要があるページを確実に見てもらえるようにするための工夫です。

  1. 移民局側が簡単に開けられないようなバインダーやフォルダは使用しないこと
  2. 厚みがある場合は二つ穴タイプのペーパーファスナーで留めること
  3. 番号・アルファベットなどのタブシール利用推奨(該当ページを探す際に役立ちます。書類の下に出るようにと指示されていますが、文房具店であらかじめ右横に飛び出たタイプの仕切りが売っているのでそれでも良いと思います。)
  4. ホチキスで留めずにクリップなどを使用すること
  5. 移民局から「原本提出」の指示がない限り、書類は基本的にコピーを提出すること(原本を送った場合、移民局で記録の一部になるため返送されない場合が多いです。)
  6. 必要でない限りは定型サイズを超えるような大型のパッケージを提出しないこと
  7. ご家族などの分も合わせて複数の申請を同時に一つの封筒で送る場合、輪ゴム(ゴムバンド)もしくはペーパーファスナーでそれぞれの書類を明確に分けること
  8. RFE(Request for Evidence)に対応する形で書類を再送信する場合、書類の先頭に移民局から届いたRFE通知の原本を配置すること
    RFE(Request for Evidence)に関する詳しい記事はこちらをご覧下さい。
  9. すでに提出された後の書類に関して追加で何かを送る際は「Brief for (Appeal/Motion)」と書かれたカバーレターを一番上に配置すること

 

パッケージを郵送する

郵送する住所ですが、カリフォルニア・バーモントと二つのサービスセンターが存在していることはご紹介しました。それに加えて、申請するビザによって宛名の書き方が変わります

書類を郵送する際のキャリアはUSPSFedExDHLUPSどれでも大丈夫ですが、正しいところに届くよう住所と宛名だけはしっかりと確認しましょう。

I-129を送付する場合の宛名はこちらhttps://www.uscis.gov/i-129-addresses

また、移民局のウェブサイトにあるこちらのページで現在のビザ審査にかかる目安時間が分かります。

資料を送ったセンターと申請中のビザの種類を選んでリストされた中から当てはまるものをチェックしましょう。

 

まとめ

今回は長い記事になりましたが、お役に立ったでしょうか。

自力でビザを通すぞ!という方はよっぽど精神的にタフな方か、金銭的に厳しい方かと思いますが、決してやってできないことはありません。

移民局のホームページや各フォームのガイダンスを隅々までしっかりと読めば、十分な書類を作成することができるかと思います。

大変な作業ですが、諦めず最後まで頑張りましょう!

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